ニセ科学批判批判―あるいは、正しいニセ科学批判のために―

医療は科学と関係が深い。しかし、医療は科学ではない。
医療は、苦痛の軽減や生命の維持といった医療独自の目的と意義を有している。その目的のために医療は科学を利用するのであって、科学を優先する余り目的の遂行を妨げるようなことは不適切である。医療がその目的のために科学を疎かにすることがあるとしても、それは当然のことである。手術の最中に科学的事実の追究に心を奪われて手元が疎かになってはいけない。医療は科学ではない。科学を使っていることと科学であることは別なのだ。もし医療が科学を装っているのなら、それはニセ科学である。
ニセ科学批判は科学ではない。そのことに何ら問題はない。しかし、ニセ科学批判が科学を装うとしたら、ニセ科学批判はニセ科学である。



関連エントリー科学的なるものの概念 - on the ground